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展示会のサステナビリティとエコシステム実現に向けて

JCD×昭栄美術×Sansan 対談イベントレポート

あらゆる企業や組織、業界において、「サステナブル」であることが求められています。特にここ数年、環境への人々の関心や意識が飛躍的に高まりをみせるなかで、企業としてもそれぞれの分野で具体的なアクションが求められています。MICE業界や展示会ビジネスにおいても例外ではありません。

この度、総合ディスプレイ会社の株式会社昭栄美術 羽山氏、働き方を変えるDXサービスを手掛けるSansan株式会社 松尾氏をパネリストに迎えて、JCDトレードショー事業局 長谷川とソーシャルビジネス局 井上とで対談を行いました。イベントや展示会業界におけるサステナブルな取り組みの現状、そしてこれからの展望についての対談の様子はオンラインセミナーとしてJCD Event Platformにて期間限定・無料で公開されています。今回はそのダイジェストレポ―トをお送りします。

PROFILE紹介========================

羽山寛幸氏羽山寛幸氏
株式会社昭栄美術 専務取締役 統括本部 サステナブル・SDGs推進担当
展示イベントディスプレイのディレクターとして数多くの案件に従事してきた実績を持つ。現在、営業部門・製作部門・クリエイティブ部門を統括し、「製販一体型ビジネスモデル」の強みを活かしたSDGsを推進している。

松尾佳亮氏松尾佳亮氏
Sansan株式会社 ビジネス統括本部 マーケティング部 副部長 兼
Seminar One Unit プロダクトマーケティングマネジャー
2014年の入社後、営業職を経験し、インサイドセールス部門の立ち上げを担う。その後、マーケティング施策を幅広く手掛け、現在もその責任者を務めながら、新規イベントテックサービスのプロダクトマーケティングマネジャーとしても活躍中。

長谷川裕久長谷川裕久
株式会社JTBコミュニケーションデザイン 事業共創部 トレードショー事業局 局長
1993年アイシーエス企画(現JCD)入社以来30年にわたりイベント・展示会に携わる。近年はオンライン展示会や新しいビジネスマッチングシステムなどニューノーマル時代の展示会手法に積極的に取り組み、メディアへの出演実績も多数。一般社団法人日本展示会協会 人材育成委員会 委員。

井上裕生井上裕生
株式会社JTBコミュニケーションデザイン 事業共創部 ソーシャルビジネス局 局長 
1991年JTB入社。営業職を経て2001年よりJTBモチベーションズ(現JCD)、JTBビジネスイノベーターズで新規事業開発に従事。主な開発分野は人材、地域交流、電力エネルギー。2016年電力小売事業を立ち上げ、2020年よりグリーン事業分野を拡張、2021年6月CO2ゼロMICEをリリース。

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※肩書きは対談当時(2021年10月)のものです
※文中敬称略

  1. 「なんとなくエコなことをしています」では通用しない時代
  2. 「作っては壊す」展示会の当たり前を変える3Rの取り組み
  3. サステナブルな電気の使い方
  4. 新世代の展示会デジタルツール活用
  5. これからの展示会のあり方、目指していくべき姿

1 「なんとなくエコなことをしています」では通用しない時代

JCD 長谷川
リアルとオンラインのハイブリッド型展示会などが新たに出現するなど、コロナ禍で展示会業界は大きく変わりました。
本日みなさんには、具体的な取り組みを教えていただければと思いますが、まずはMICEにおけるサステナビリティの重要性、当社のサステナビリティ方針について簡単にご説明いたします。

MICEは 多くの方が参加するため、開催地において直接的・間接的な経済効果を生みますが、多くの資源が消費されることから、環境へマイナスの影響を与えているといわれています。そこでMICE主催者は、社会的責任のある企業・団体として、環境負荷を軽減する取り組みを実施するなど「持続可能な会議・イベント開催」を推進することが社会から求められているのです。
JCDはミーティング&イベント事業・展示会事業を行う上で、サステナビリティ方針、調達コード、運用方法など企画の段階から提案を行い、主催者である企業・団体のSDGsの達成に向けた積極的な取り組み支援を行っています。業界の従来型のエコシステム(会場、イベント企画・運営会社、イベントサプライヤー)だけでなく、地域社会とも連携しながら、持続可能な社会の実現を目指しています。

◆JCDサステナビリティにおける取り組み

◆JCDサステナビリティにおける取り組み
https://www.jtbcom.co.jp/company/sustainability/

◆関連記事 持続可能な会議・イベントのカタチ
https://www.jtbcom.co.jp/article/marketing/1202.html

さて、早速みなさんにお聞きしたいのですが、近年のコロナ禍をはじめとした状況、サステナビリティに関わる顧客のニーズや意識の変化をどのように感じていらっしゃいますか?

昭栄美術 羽山
コロナ禍になって、今までのような展示イベントのリアル開催は一時的に減少しています。そのような状況のなかで、特にリアルとデジタル・オンラインのハイブリッド形式の展示会やイベントが急激に増えたと実感しています。わたしたち昭栄美術としても、クライアントの要望に応えるためにプラスαでデジタルサービスを提供できる体制を整えつつ、試行錯誤しながら取り組んできました。
一方で、感染対策ガイドラインを守りながらリアル開催するイベントも着実に増えております。デジタル・オンラインで済むことと、リアルでなければ成り立たないことの差が、このような状況下でより明確になったと感じています。また、以前にも増して、リアル開催の価値が高まった、という話もよく耳にするようになりました。

顧客のニーズや意識の変化という点では、世の中のSDGsに対する関心の高まりを受け、企業もその取り組みを重視する傾向が強くなっていますね。「なんとなくエコなことをしています」といった漠然とした話だけでは済ませられない。具体的な取り組みや、その実態を数値で示すことも必要です。さらにガイドラインをしっかりと作成するといった主催者側の意識変化が確実に見られます。これは今後、「コロナ禍で展示会・イベント業界はどうなるのか?」「この先も果たして持続できるのだろうか?」といった強い危機感の表れではないでしょうか。展示会ビジネスに関わる企業すべてが、本気でサステナビリティに向き合わなければいけないと感じています。

オンラインイベント収録の模様
オンラインイベント収録の模様

JCD 長谷川
「なんとなくエコなことをやる」という意識を脱却し、積極的に関わっていくにはどのようにすれば良いと思われますか?

昭栄美術 羽山
具体的なゴール目標を設定することが大切です。その目標を数値化して、PDCAサイクルをまわして結果を数値で見極めることがやはり重要ですね。

Sansan 松尾
私からは、イベントを主催している立場からお話させていただきます。コロナ禍でこれまで実施していたオフラインイベントができず、一部のマーケティング活動がストップしてしまいました。ですから私たちも早々にオンラインイベントへシフトし、ここ2年で大規模なオンラインイベントを数多く実施してきました。
正直いってはじめは、私たちの顧客である参加者がオンラインイベントを受け入れてくれるかどうか不安でした。それでも世の中がこうした状況下で強制的にオンライン化を受け入れざるをえなくなったことで、参加者の間でのオンラインリテラシーのレベルが上がったと感じています。それに伴いお客様の "期待値"も増しているため、私たちを始め、主催者側の多くがオンラインイベントを成功させるためのテクノロジーを駆使した解決策を見出すことに着目しております。

一方では、新型コロナウイルス感染症の動向を注視しながら、今後リアルイベントも再開されるでしょう。その時、オンライン慣れしたお客様にどう対応していくのか。リアルでもオンラインでも、テクノロジーによる利便性や効率性といった体験向上が求められると思います。私たち主催者自身も常に変化に対応していかなければならないと思っています。

2 「作っては壊す」展示会の当たり前を変える3Rの取り組み

昭栄美術 羽山
2020年、昭栄美術はサステナビリティの国際基準・ISO20121を取得しました。ですが取得にあたっては、実は何も特別なことはしていません。普段から継続的に取り組んできたことを取得にあたって可視化して、より具体的に数値化したくらいです。

昭栄美術は木工の製作会社からはじまり、創業以来、ものづくりの品質にこだわってきました。より良い商品をお客様に喜ばれる価格で提供しようという考えのもと、制作時のムダを省く、一度使ったものでも再利用できるか工夫をする・・・そういった風土が染み付いております。業界では、一般的に展示会などの装飾は「作っては壊す」の繰り返しが当たり前とされてきました。ですが、社員が一生懸命作った製品が、数日の展示で壊されて捨てられるのは悲しい、持ち帰ってメンテナンスしてまた使おう、といった、いわゆる"もったいない文化"が自然と根付き、それが今の社風となっています。そうして、リデュース、リユース、リサイクルといった3Rの取り組みに力を入れてきました。

さらに自社工場では、機械化やロースキル化、マニュアル化といった作業環境を整えるための5S活動や改善活動も積み重ねてきました。このような流れが結果的に、サステナブルに対する考えや行動に繋がりました。

左:施工のようす  右:SHOEI SUSTAINABLE MODEL
左:施工のようす  右:SHOEI SUSTAINABLE MODEL

3 サステナブルな電気の使い方

昭栄美術 羽山
また、私どもは電気照明製品も自社で揃えて施工しております。これは2011年の東日本大震災がきっかけでした。あの時は展示会もイベントも全てがストップしてしまいました。特に電気については消費量を抑えなければならない。そのような状況下で、私たちがディスプレイで貢献できることは何かを考えていました。解決策のひとつとして、使用する電気照明を全てLEDにかえることで、結果として省エネを実現できたのです。この時はまだLED照明が世の中に普及していなかったので、自社で部署を立ち上げて新しいサービスとして提供しました。

JCD 長谷川
イベントや展示会では電力はとても重要ですからね。私たちJCDでも電力については、そのソフト面で注目しており、CO2ゼロMICEといったサービスを提供しております。

JCD 井上
CO2ゼロMICEとは、MICE会場で使用する電気と同等の「グリーン電力証書」を購入することで、CO2を実質ゼロにするサービスです。今後MICE需要が再び戻る中で、私たちJCDでは自社のSDGsやサステナビリティ方針に基づき、クライアント様のSDGsや環境配慮に対応できるソリューションを提供できるように準備を進めております。

展示会でのCO2ゼロMICE利用で言えば、出展者ごとの個別オーダーでブースごとに導入いただいたり、主催者や会場側の方で一括購入いただく、といった形で利用いただけます。

■CO2ゼロMICEとは
https://www.jtbcom.co.jp/service/energy/co2zero/

JCD 長谷川
2022年1月に実施する予定の展示会「nano tech 2022」をはじめとする同時開催13展では、実際5つのホールにおいて会場電気使用量3日間で約20,000kw/hを目指し、カーボンオフセットします。出展者側にも1-2コマブースにつき3日間数万円くらいでご案内をする予定です。

JCD井上
この数万円を安いと感じるか高いと感じるかは、出展者様によって考え方も異なるでしょう。ただサステナビリティへの取り組みは、今後の企業活動や企業価値を判断する上で大事な要素になりますので、決して高い価格ではないと思います。

グリーン電力証書(イメージ)
グリーン電力証書(イメージ)

4 新世代の展示会デジタルツールの活用

JCD長谷川
デジタルを活用した新しい展示会ツール、スマートパンフレットについて教えてください。

Sansan 松尾
スマートパンフレットは、展示会やイベントで、出展者と来場者のマッチングをいかにスムーズにできるかという発想から生まれました。紙の削減という意味でもサステナビリティに寄与するツールとして活用いただいています。

左 Sansan 松尾氏  右 スマートパンフレットとは
左 Sansan 松尾氏  右 スマートパンフレットとは

 

スマートパンフレットはQRコードを読み取れば、ワンタップでパンフレットをデータとして持ち帰ることができます。このQRコードを使ってパンフレットを受け取った来場者の名刺情報が出展者サイドにも渡ることで、双方向のコミュニケーションが可能となるツールです。2021年7月に行われたJCDさん主催のSuper City / Smart City OSAKAで、実際に出展者・来場者に使用していただいた時にも、好評をいただきましたよね。

JCD 長谷川
リアルとデジタル、そしてサステナビリティといったそれぞれの要素が上手く連携しているサービスだと感じました。

Sansan 松尾
まだまだ展示会やイベントは、アナログな部分が大勢を占めているように見受けられます。デジタル化による改善について、当社で培ってきたサービスや技術を提供する余地がまだまだありそうだと思っています。

2021年7月 「Super City / Smart City OSAKA 2021」でのスマートパンフレット活用例
2021年7月 「Super City / Smart City OSAKA 2021」でのスマートパンフレット活用例

5 これからの展示会のあり方、目指していくべき姿

JCD 長谷川
パネリストの皆様が考えている、あるいは目指しているこれからの展示会やイベントの姿について教えてください。

昭栄美術 羽山
総合ディスプレイ会社として、まずは企画・デザインの段階から『環境配慮型設計』を全面に打ち出していきたいと考えています。我々の製品やサービスで、展示ディスプレイをできるだけ環境負荷の少ない形にすることが可能です。

制作面では3Rをより推進していきます。特にリサイクルに関して、どうしても廃棄しなければならない時は、まずスタジオ内で分別処理の徹底をします。現在リサイクルの流れは、製品化されるマテリアルリサイクルと燃料化されるサーマルリサイクルに分けられます。今後、昭栄美術から排出される物は、マテリアルリサイクルされ、リサイクルで出来た資材を購入し、それを加工してディスプレイに使用していきます。いわば将来にわたり循環できる仕組みを構築するのです。

さらにエコシステムということで言えば、現場での環境負荷も軽減しなければと考えています。展示会の主なルーティーンは1~2日で設営、3日間会期があって、最終日の夜の数時間で撤去、と非常に短時間また短いサイクルで繰り返していきます。環境負荷だけでなく働く方々への負荷もかかってしまうことから、私たちはなるべく現場での作業工数を減らすことから始めています。

左:JCD長谷川  右:昭栄美術 羽山氏
左:JCD長谷川  右:昭栄美術 羽山氏

 

Sansan 松尾
展示会が、出展者と来場者の双方が価値ある出会いをすることで新しいイノベーションが生まれるような環境であり続けてほしいですね。例えば、企業情報データを活用し、展示会に参加する前から参加者に向け最適なサービスをレコメンドしたり、「あなたは〇〇社のこの方と相性が良さそうだから、ぜひ現場で会ってみては?」という具合に参加者同士のマッチングを促したりするなど、展示会の各シーンにおける利便性を高め、展示会での体験を一段階上にあげていくなど、イベントにおける出会いの質の向上を目指していきたいと思います。

JCD 長谷川
お2人とも、とてもワクワクするお話をありがとうございます。私たちも展示会におけるデジタルとアナログそれぞれの良さを、今後も共に追求していきたいと思います。

JCD井上
環境エネルギーの立場からみると、今後社会全体でSDGsやカーボンニュートラルへの取り組みは必須化されるでしょう。我々JCDだけが取り組んでも力は微々たるものです。ですからお客様や事業パートナー様、また来場される皆様が一丸となって、MICEから発生するCO2削減のために、共に取り組んでいきたいと思っています。
CO2ゼロMICEは、今はまだ第一段階です。これからさらに様々なソリューションをご提案していく予定です。

JCD 井上
JCD 井上

 

JCD 長谷川
サステナビリティやエコシステムを実現するためには、展示会やイベントに関わる全ての人が連携・協業して取り組むことが必要不可欠であると、皆様のお話の中で痛感しました。今後もさらに協力しあいながら展示会業界の"サステナブルなエコシステム"を構築していきましょう。



◆本セミナー全編は、JCD Event Platformにて、12月31日までご視聴いただけます。 

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