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思いやりのマーケティングが生む、商業施設の新たな存在意義

体験を売る ルクア大阪「妄想ショップ」から考える未来の商業施設とは

JR大阪駅直結の大型商業施設・ルクア大阪では、日常の小さな悩みを集めてその解決策を探る期間限定「妄想ショップ」が人気企画となり、これからの商業施設のビジネスモデルとしても注目されています。これまでに12の妄想ショップが展開されている中、JTBコミュニケーションデザイン(以下JCD)では「選ぶ色からおススメしてくれる 心が求める旅先案内所」と「あなたのストレス傾向が分かる ひといき保健室」の2つのコンテンツをプロデュース。その運営担当責任者であるプロモーション事業部 西日本営業局の齊藤が、妄想ショップの取り組みや、取り組みの中で感じている新たな商業施設の可能性について語ります。
また後半では、JCD社内イベントにてインタビューさせていただいた、今回の「妄想ショップ」の仕掛け人でもある、ルクア大阪 トキメキ事業部 北野貴大さんへの一問一答もご紹介します。

見過ごされてきたような
小さな悩みをカタチに

私はプロモーション事業部 西日本営業推進局で、プランナー 兼 新規クライアントやパートナーとのリレーションづくりを担当しています。JR西日本SC開発様が運営しているルクア大阪のお手伝いをするようになったきっかけは、2018年頃。施設内で開催した自治体のポップアップイベントにJCDが携わっていて、そのときにイベントスペースの営業担当だった北野さんとお会いしたことでした。「情報交換しませんか?」とお声がけいただいたことをきっかけに、イベントスペースを活用した新規事業企画などをたびたび構想することになりました。残念ながらその時点ではそれらの企画が実現に至ることはなかったのですが、その後、妄想ショップをルクア大阪としてスタートする際に、北野さんからご相談いただいたことから、この取り組みを担当することになりました。

妄想ショップは、SNSで集めた「毎日、がんばっているのにな?」「SNSのアイコンを何にしよう」などのちょっとした悩み、今までだったら見過ごされてきたような小さな悩みにこたえるということを基点にしたお店です。その小さな悩みをルクア大阪では「ため息」と呼んでいるのですが、ため息をヒントに新しいお店やサービスをつくるというのがコンセプト。実験的かつ新しさも感じるこの妄想ショップの仕掛け人が、ルクア大阪で現在広報を担当されている北野さんと大垣さんでした。ターゲット層である女性たちの「ため息」を、ルクア大阪の場を通して「トキメキ」に変えるポップアップイベントは、TVや新聞など様々なメディアにも取り上げられています。

JR西日本SC開発株式会社 商業施設「ルクア大阪」トキメキ事業部 北野貴大さん
JR西日本SC開発株式会社 商業施設「ルクア大阪」トキメキ事業部 北野貴大さん

プロモーション事業部 西日本営業推進局 齊藤美結
プロモーション事業部 西日本営業推進局 齊藤美結

100人に届けるよりも
1人が涙する企画を

妄想ショップ「心が求める旅先案内所」(https://www.lucua.jp/mousou_shop/travel_information/)では、「旅先がマンネリ化している」「どこへ行けばいいのかわからない」などの「ため息」を解決するために、どういう手法があるのか、どういうストーリーで展開するのか、考えては提出し、何度もフィードバックを繰り返しながら作り上げていきました。モノではなくコト(体験)を売るというのは、実はすごく難しいんですよね・・・。例えば、「カフェで飲むコーヒー:500円」なら、コーヒー豆が○○○産、店内の雰囲気の良さ、コンセントが使える、などの要素から、なんとなく500円という価値の根源がわかります。しかし、誰もやったことがなく、"ほわっ"としたものに価値を付けるということにすごく悩みました。JCDとしても妄想ショップのような案件は初めてでしたが、「100人に届けるよりも1人が涙する企画を作ってほしい。1人が感動して"出会えてよかった"と涙するような企画を私は求めています」との、北野さんの言葉に衝撃を受け、企画の方向性が定まったように思います。
「旅先案内所」は、カラーセラピーを取り入れたエンタメの要素がポイントになっているんです。お客様に今の気分に合う色を選んでもらい、旅を愛する旅のプロたちが心を込めて選んだぴったりの旅先を、ポストカードと一緒にご紹介するという企画です。関西エリアの特徴かもしれませんが、なにかしらクスッとしたり、ちょっと突っ込みどころがあったり、「えっ、なんなんそれ?」というような発想を大事にしてプロデュースしました。UXという言葉に置き換えられるかもしれません。2019年9月に実施後、2020年のコロナ禍では、旅行に行けないというため息を基に、オンラインでの企画として、"未来に泊まれる宿泊券"を販売していたCHILLNNとタッグを組み「未来の旅先案内所」も実施しました。どちらの企画も体験したお客さまからのUGCをしっかり見ることができたことは大変うれしかったですね。ときめいたポイントを丁寧に解説したレポートをnoteでまとめてくれたお客様がいたり、体験がきっかけで旅に出たという記事を見つけたり、お客さまの心をつかめた感覚がありました。

2019年9月実施「心が求める旅先案内所」の模様
2019年9月実施「心が求める旅先案内所」の模様

次に携わった妄想ショップ「ひといき保健室」(https://www.lucua.jp/mousou_shop/hitoiki_hokenshitsu/)では、出前保健室(http://hidamaristation.com/)を運営する高橋ともさんの企画を軸に、その世界観を妄想ショップとして展開するための全体ディレクションを担当しました。このショップはコロナ禍という特殊な時期だったこともあり、家族や友人には言えないけれど、専門的なカウンセリングを受けるほど深刻ではないような、心のモヤモヤを抱えている方を対象としました。簡単なヒアリングを通じてストレスタイプをお伝えし、そのタイプに合ったご自愛術をおすすめするショップです。来てくださった方にとって、明日が今日より少し楽しみになってもらえたら、という気持ちでやっていました。私自身がルクア大阪さんのターゲット層にあたるのですが、確かに周りの友人にも仕事で悩んでいる人や、ライフステージが変わってモヤモヤを抱えている人が多い実感があったこともあり、やりがいがありましたね。JTBグループということで旅行にまつわるテーマでご相談いただくことが多いですが、旅行とは全く違う分野のテーマでもJCDに任せていただいたのはうれしかったですね。以前、働く女性の悩みのケアをすることに興味があると北野さんに話していたことを、覚えてくださっていたのだなと。ルクア大阪の担当の方々には、業者ではなくパートナーだと思っていただいていることを強く感じており、それが励みにもなっています。

2020年11月実施「あなたのストレス傾向が分かる ひといき保健室」
2020年11月実施「あなたのストレス傾向が分かる ひといき保健室」

話は変わりますが、JCD内の有志メンバーで、2020年5月から"JCD PICKS"という社内コミュニケーション活動を実施しています。この発起人の1人が私なのですが、オンライン会議システムを使って、リアルタイム配信型・ディスカッション形式で、LIVE感を楽しんでもらうコミュニケーションの場を設け、好きなテーマを通じて、知識をアップデートしながら互いに気軽に話し合って交流する場を企画してます。先日は私からお願いをして、北野さんにもスペシャルゲストとしてご登場いただきました。今回は「どぎゅんのつくりかた」と題し、企画の哲学やスキルをテーマに、商業施設のビジネスの垣根を超えた様々な企画を発信・実現している北野さんにいろいろなお話をしていただきつつ、社員から集めた妄想ショップのアイデアの種を公開講評してもらうという企画に。ざっくばらんな質問に答えていただきながら、笑いあり、発見ありの素敵な時間を共有することができました。こうして受発注の垣根を越え、社内イベントでご一緒いただけたことも大変うれしかったです。

社内コミュニケーション活動「JCD PICKS」の模様
社内コミュニケーション活動「JCD PICKS」の模様

※参考記事
JCD社員が考えるニューノーマルな社内コミュニケーションのつくりかた
https://www.jtbcom.co.jp/article/hr/1059.html

【ルクア大阪 北野さんへの一問一答はこちら】
次々と話題の企画を生み出す北野さんへ、JCDNOWより、北野さんご自身のことからトキメキ事業部の未来のことまで・・ざっくばらんにお聞きしました。企画担当者、広報担当者の方は必見です。

「思いやりのマーケティング」が生み出す
商業施設としての存在意義

ルクア大阪では2020年に「トキメキ事業部」という新規事業開発のチームを立ち上げて活動されています。このトキメキ事業部の事業の一環である妄想ショップは、商業施設として気軽に立ち寄ってもらうきっかけを作る目的だけでなく、「モノを売らずにコトを売る」ビジネスモデルの実証実験としての側面もあるのかなと感じます。人口減少の一途をたどり、価値観やライフスタイルも大きく変化する中で、モノをリアルで買うニーズが多様化している時代に、どうすればお客さまに寄りそえる商業施設になるのかというのかを模索するための試みでもあると、お客さまと実際にコミュニケーションをとる中でより実感しました。

JCD社内でも"商業施設の未来を考えるプロジェクト"を立ち上げていて、商業施設がこれからどうあるべきかについて俯瞰的に考え、具体的な施策をクライアントに提案しています。今の世の中ってどんどん物質主義でなくなっていて、物を買うことだけで豊かになる、という時代ではないですよね。マーケティングでお客様を扇動するビジネスがどんどん成り立たなくなっているんだと思います。

SDGsもトレンドとなっていますが、トレンドで終わるのではなく、人間の求める本質的な豊かさや幸せを、商業施設と呼ばれる消費や購買を基本価値としてきた場所で今後どう提供していくのか?そのために商業施設の枠を超えた「場」になっていくにはどうするべきか?は大きな問いになっていくのではないでしょうか。サステナビリティやまちづくりなど、多様な視点を持って、じっくり生活者と向き合わなければ、この解はなかなか見つからないと思います。
そういった問いを常に持ちながら考えをアップデートいきたいですねと、北野さんともよくお話しています。

問いに向き合い続ける中で、「ひといき保健室」などの企画・運営を通じて、解へのヒントも見つかりました。お客様のことをしっかりと見ている・想っていることが、きちんと伝わるマーケティング――― それを「思いやりのマーケティング」と北野さんはおっしゃっていたのですが、つまりお客さまと真摯に向き合う大切さです。真摯さを忘れると、どこかで違和感が生まれ、サステナブルではない事業になってしまう。つまりこれって、お客様もルクア大阪さんも私たちもハッピーじゃないんですよね。3者の幸せを追求していくために、今、世の中でどのようなことが起こっていて、何に悩んでいる人が多いのか、その中でトキメキをどう作り出すか?、俯瞰的に考えながら取り組んでいます。

「大阪に住んでいて良かったです!」
お客様からの言葉で感じた、商業施設を通じた地域活性の可能性

あるとき「妄想ショップ」を利用したお客様から「大阪に住んでいて良かったです!」という感想をいただき、「妄想ショップ、めちゃめちゃ大阪の価値を上げてますやん!」と、冗談交じりにトキメキ事業部のご担当の方が楽しそうにおっしゃっていたときは、すごく嬉しかったですね。

これまでに多くの「地域ブランディング」や「シティプロモーション」「賑わい創出」をお手伝いしてきたJCDは、街づくりや地域活性のプロでもあります。地域にある商業施設がその街の住民にとってどういう施設であるべきか、在ることでどういう使命を担っているのかを言語化して、方向性から具体的施策まで一緒にプランニングすることもJCDの役割であると感じます。その地域の中に商業施設がある存在意義について、とことん追求していく。これは、商業施設と地域が長く共存していくためにも大切なことだと考えています。セールをしているから行こうではなく、消費だけではない情緒的なコミュニティとしての動機付け。人を動かす動機付けがないと、これからの時代のうねりに対応することは難しくなっていくはずです。そういう意味で、モノを買わせるだけではなく、トキメキ体験を販売する妄想ショップは、商業施設の将来を見据えたビジネスモデルの1つのヒントとなるのではと考えています。お客様が"モノを売るだけの商業施設"から離れていってしまう前に、種まきをすることが大切なんです。私たちJCDも多様で長期的な視点をもってアドバイスやご提案をしていき、商業施設の存在価値を高めるサポートをしていきたいと思っています。

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■ルクア大阪 基本情報
住   所 大阪市北区梅田3-1-3
運   営 JR西日本SC開発株式会社
公式サイト https://www.lucua.jp/
※開館時間については公式サイトをご参照ください

■ルクア大阪 妄想ショップ 公式サイト
https://www.lucua.jp/mousou_shop/

■ルクア大阪 トキメキ事業部
https://www.lucua.jp/tokimeki/
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ルクア大阪 トキメキ事業部 北野さんに聞いてみた! JCDNOW式一問一答

次々と話題の企画を生み出す北野さんへ、JCDNOWより、北野さんご自身のことからトキメキ事業部の未来のことまで・・ざっくばらんにお聞きしました。企画担当者、広報担当者の方は必見です。

Q1 北野さんご自身は"何屋"だと思いますか?
職業欄にはずっとゾウ使いって書いています(笑)。免許持っているんですよね...。
でも、改めて考えてみると、花屋さんかな。お花選びは、好みやそのときの気分で何を選ぶか、組み合わせも変わりますし、とても感覚的なものですよね。人を喜ばせたいときや自分を癒したいとき、部屋を明るくしたいときに花屋に寄るようなテンションで、気軽に相談してもらえる存在でいたいという思いがあります。

Q2 企画を考える上で大切にしていることを教えてください。
まず、「①悩みを代弁する」ということから着想し、正しく解決しようと格式ばらずに「②正しくなくてもいい」という気持ちで企画を考えています。「③友人に言いたくなるか」という視点も大事で、これは事業成長率を示す指標になります。そして最後に、「④上司のための論理」を意識した企画にまとめていきます。これは私の一番得意なところ。多くの上司は、部下のチャレンジを認めてあげたいという気持ちがあるので。
自分のやりたい①②③を練り込みながら、④で説得力ある企画に仕上げていくことを心がけていますね。

Q3 企画を考えるときのルーティンや工夫はありますか?
ランニングをしているときや、車を運転しながら帰っているとき、シャワーを浴びているときなどは右脳が働いていて、アイデアが自然と浮かびやすくなるらしいんです。無意識なルーティン行動では、左脳の働きが止まっていて、右脳が活性化しているそうなんですね。なので、自分のミッションやアイデアなどを引き出しやすくするために、最近は右脳を意識的に使うようにしています。

Q4 ルクア大阪として、地域にとってどんな存在でありたいという姿があれば教えてください。また逆に、お客さんのことをどういう存在としてとらえているか、お考えを教えてください。
生活者にとって「良き友人」のような存在を目指しています。愚痴があれば聞いてあげたいし、初デートなら勇気がでるかわいいワンピースを届けたい。いつだってその人にとっての味方でありたい。ルクア大阪は「場所」なんです。服屋やアクセサリー屋さんといったように販売することが役割なのではなく、ふとしたときに頼れる「場所」になりたいと思っています。ただ一方で、お客様はお客様です。こちらから友人ぶることはしたくないです。お客様が友人と思っていただけることが重要なのであって、こちらから馴れ馴れしく友人ぶることは、失礼なことだと考えています。

Q5 トキメキ事業部としては10年後の売り上げを作りたい、というテーマを掲げているとのことですが、
1年後、5年後、10年後のルクア大阪のありたい姿・野望を教えてください。
ルクア大阪を「生き方が見つかる場所」に育てていきたいと思っています。今まではきっと「おしゃれ」が見つかる場所、「ファッション」が見つかる場所、「素敵な暮らし」が見つかる場所、その延長線上で、「自分らしさ」が見つかる場所、「趣味」が見つかる場所、「生き方」が見つかる場所へと生活者の期待に合わせて広げていきたいと思っています。

Q6 JCDの企画においてよかったと思った点があれば教えてください。
自前っぽいところです。素晴らしいパートナーさんばかりですが、たまに、どこか当事者意識が薄まってしまい、お客様に届く瞬間にクリエイティブに熱がこもっていないことを経験したことがあります。一方、齊藤さんは、最後まで、お客様の手に届くまで当事者意識が強い気がしています。

Q7 JCDPICKSに参加してみての感想をおきかせください。
率直な感想としては、早起きに向き合っている人や、奥さんの家事や心労に心を痛めている人、お母さんに背中を押されてなにかを始めた人、天職アドバイザーなどなど、自主プロジェクトっておもしろいな、と思いました。逆に言えば、私たちはクライアントとして課題をお伝えするだけではなく、自由提案をもっと受けてみたいな、と思いました。そんな、受発注の関係ではない、一緒に企むような関係性から仕事がつくっていければいいな、と感じました。



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