お問い合わせ

お問い合わせ

JCD NOW!

JTBコミュニケーションデザインの様々な取り組みをご紹介します。

  • マーケティング・営業課題
  • Report

「ツーリズム EXPO ジャパン 2023 大阪・関西」ツーリズム・プロフェッショナル・セミナーレポート

JCDの未来を拓く
インバウンドコミュニケーションとは

JTBコミュニケーションデザインは、10月26日・27日の2日間にわたりインテックス大阪で開催された、ツーリズム EXPO ジャパン 2023 大阪・関西のプログラムである「トラベルソリューション展2023」に「未来を拓くインバウンドコミュニケーション」をテーマとし出展しました。

2025年春より開催される「日本国際博覧会(2025 大阪・関西万博)」を視野に、新たなアイディアや観光イノベーション、持続可能な観光の未来に焦点をあて、次世代へつなぐ観光産業イベントとして開催され、ブース出展以外の取り組みとして、「ツーリズムEXPOジャパン2023」のツーリズム・プロフェッショナル・セミナーで、「大阪・関西万博と開催後のレガシーが変えるインバウンド市場への対応」「地域の特色を活かし復活したインバウンド市場へのアプローチを考える」の2つのセミナーを開催しました。前号の速報レポートに続き、今号ではセミナーについてご紹介いたします。

  1. インバウンド領域における課題解決の糸口を提案
  2. セミナー1:大阪・関西万博と開催後のレガシーが変えるインバウンド市場への対応
  3. セミナー2:地域の特色を活かし 復活したインバウンド市場へのアプローチを考える

1 インバウンド領域における課題解決の糸口を提案

JCDは、自治体・DMO・観光事業者が抱える複合的なインバウンド課題を解決するための、最新の事例を基に解決する契機をご提案しました。アフターコロナの今、大阪・関西万博や大阪IRなどインバウンド需要が一段と高まっていくタイミングに差し掛かっており、世界の潮流に合わせ日本の観光も変わっていく必要があります。この重要な時期に、「日本における新たな観光のカタチをお客様と伴走しながら創っていきたい」という想いを込めてテーマを設定しました。

イメージ

2 セミナー1:大阪・関西万博と開催後のレガシーが変えるインバウンド市場への対応

2025年、大阪・関西万博が開催されます。そのテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。この万博は、未来社会の実験場として、インバウンド市場に大きな変化をもたらすでしょう。
本セミナーでは「未来社会の実験場」としての万博開催とその後のレガシーで未来のインバウンド市場はどのように変化し、そしてどう備えるのか。
「デジタルマーケティングの未来」「MICEにおけるサステナビリティの未来」「観光業界における脱炭素への取り組みの未来」について、JCD所属3名の専門家より、また、特別セッションとして(公社)2025年日本国際博覧会協会ICT局ICT部バーチャル課 課長代理 福田 有紀氏による「バーチャル万博への参画について」それぞれの視点からご紹介しました。

セッション1:デジタル&インバウンドマーケティングの未来予測図~A New World from Legacy~
DX推進プロジェクト Digital Marketing Evangelist 直井 英樹

DX推進プロジェクト Digital Marketing Evangelist 直井 英樹ちょっと先の未来のデジタルマーケティングには何が待っているのか。

デジタルマーケティングの未来は、Cookieに頼らない広告戦略とAIの活用によって大きく変わることが予測されています。これらの技術を理解し、適切に活用することで、企業は新たなマーケティングの可能性を切り開くことができるでしょう。まず、GDPRやCCPAなどの海外の個人情報保護ルールが整備されることにより、Cookieの規制が強まっています。これは、個人の趣味嗜好に合わせた広告配信に必要な技術であったため、広告施策が困難な時代に突入しています。しかし、JCD・クリムタン・インテグラルアドサイエンス社の3社連携により、Cookieに頼らない技術を提案。個人の趣味嗜好に合わせた最適な広告配信を行えるソリューションを発表しました。

これにより広告施策を再び有効活用することが期待できます。また今、AIの活用による広告戦略も注目されています。AIの機械学習と5Gの通信インフラの速度向上により、TVドラマや映画のワンシーンに広告枠が設定され、視聴者の趣味嗜好に合わせた適切な広告を表示できる未来が予測されています。欧米では、ゲーム業界を中心に表示される広告がユーザーの好みによって異なるという取り組みが進んでいます。
AIの活用により、広告配信費用、効率の最適化・配信ターゲティングや配信内容の出し分け精度の精緻化が進むと予想されています。しかし、AIを活用する際には注意が必要です。AIが提示した内容の良し悪しを判断することや、心を動かす広告クリエイティブには人の創造力が欠かせません。そして、顧客データの保護は常に重要な課題であり、慎重な取り組みが求められます。大阪・関西万博後の変化がインバウンド市場に与える影響と、これらの技術を理解し、適切に活用することで、企業は新たなマーケティングの可能性を切り開くことができるでしょう。デジタルマーケティングの未来は、パーソナライゼーションとAIの活用によって、より効果的で精度の高いマーケティングが可能であると考えています。
詳細はセミナー動画をご視聴ください。

セッション2:MICEにおけるサステナビリティ ~環境からDE&Iまで~
エリアマネジメント部 プロモーション局 エグゼクティブプロデューサー 平間 令子

エリアマネジメント部 プロモーション局 エグゼクティブプロデューサー 平間 令子MICE業界は、経済に大きな波及効果をもたらすと同時に、多くの人流や物流により環境への負荷も無視できない現実を抱えており、いかにサステナブルなMICEを実施するかは重要な課題になっています。また最近では、単にイベントの持続可能性を追求するだけでなく、主催者である組織や顧客の包括的な目標との一致が求められています。MICEを実施する上で考慮するべき点として、飲食における地産地消やフードロス対策、二酸化炭素排出や廃棄物の削減、地域経済への貢献(サプライヤーの活用や伝統文化の紹介)などがあげられます。また、DE&I(多様性、包括性、公平性)の視点も重要な要素となります。例えば、イベントの参加者やスピーカーの選定においても、多様性を尊重することで、相互理解の促進とともに、より広範な視点からの議論を可能にしています。MICEにおけるサステナビリティに取り組むことにより、日本におけるMICEが単なるビジネスイベントでなく、地域の持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも寄与する存在となり得るでしょう。
詳細はセミナー動画をご視聴ください。

セッション3:観光業界における脱炭素の取り組み
事業共創部 ソーシャルビジネス局 グリーン事業推進 統括 吉田 梨紗

事業共創部 ソーシャルビジネス局 グリーン事業推進 統括 吉田 梨紗脱炭素社会の実現は、全産業における課題といわれています。小売、飲料、ファストフード業界など、各業界で取り組みが進んでいますが、観光業界は世界のCO2排出量の10%を占めると言われているため、まだまだ強化が必要です。そこで注目されているのが、観光業界における脱炭素化の取り組みを具現化したソリューションである、CO₂ゼロMICE®とCO₂ゼロSTAY®です。

CO₂ゼロMICE®は、イベントで使用する電力を再生可能エネルギーに切り替えることを目指しています。
https://denki.jtbcom.co.jp/co2zero_series/mice/
火力発電が主力の日本において、物理的に電力を切り替えることは困難ですが、このソリューションを通じて、電力会社を切り替えることなく、実質的に再生可能エネルギーを使用することが可能となります。

CO₂ゼロSTAY®は、宿泊施設でのCO2排出量を削減する取り組みです。
https://denki.jtbcom.co.jp/co2zero_series/stay/
観光業界における脱炭素化の取り組みは、まだ始まったばかりです。脱炭素化に向けて進むことで、サステナブルな社会の実現に一歩近づきます。これらの取り組みは、地球環境の保全と観光業界の発展を両立させるための重要な一歩となるでしょう。
詳細はセミナー動画をご視聴ください。

特別セッション:バーチャル万博への参画について
(公社)2025年日本国際博覧会協会ICT局ICT部バーチャル課 課長代理 福田 有紀 氏

(公社)2025年日本国際博覧会協会ICT局ICT部バーチャル課 課長代理 福田 有紀 氏2025年に大阪・関西万博が開催されます。世界中から注目されるこの機会を活用し、地域の認知度と興味関心を高めるプロモーション活動が期待されています。その一環として、公益社団法人2025年日本国際博覧会協会ICT局ICT部の福田氏が提唱するのが、"バーチャル万博"です。"バーチャル万博"は、リアルの夢洲会場をオンラインのメタバース空間上で再現したもので、地理的な制約を超え、世界中から参加者がバーチャル空間上で自分自身のアバターを作成し、会場内を自由に移動することができます。3Dコンテンツや映像配信など、様々なコンテンツ形式で催事演出が可能となります。

この新たな取り組みは、"万博当日の来日は難しいけれど、今後実際に来日してみたい!"という人々に対する訴求の一つとなります。"バーチャル万博"は、インバウンド観光客への新たなアプローチとして、大阪・関西万博という絶好の機会を最大限に活用することを目指しています。
地域の魅力を世界中に発信し、新たなインバウンド市場を開拓する可能性を秘めた、この新たな試みが、大阪・関西万博の成功とともに、地域の発展に寄与することを期待します。
本セッションは非公開となっております。予めご了承ください。

セミナー1「大阪・関西万博と開催後のレガシーが変えるインバウンド市場への対応」の動画視聴はこちら

セミナー2「地域の特色を活かし 復活したインバウンド市場へのアプローチを考える」の動画視聴はこちら

セミナー1「大阪・関西万博と開催後のレガシーが変えるインバウンド市場への対応」
セミナー2「地域の特色を活かし 復活したインバウンド市場へのアプローチを考える」

本セミナーについてはアーカイブ動画をご用意しておりますので、ご興味のある方はぜひご視聴ください。

3 セミナー2:地域の特色を活かし 復活したインバウンド市場へのアプローチを考える

コロナ前に戻りつつあるインバウンド需要拡大を背景に、実際にインバウンド推進で好成果を残されている企業・団体をお招きし、事例を交えて今後の同市場へのアプローチや需要獲得のヒントや共通項をお伝えしました。基調講演につづき、パネルディスカッション形式でパネリスト間での意見交換が行われました。

基調講演

「インバウンドの最新動向とJNTOの訪日マーケティング戦略」
日本政府観光局(JNTO)企画総室 広報グループマネージャー 中山 友景 氏

日本政府観光局(JNTO)企画総室 広報グループマネージャー 中山 友景 氏新型コロナウイルスの影響を受けていた訪日インバウンド市場が、徐々に回復の兆しを見せています。特に、東京都を中心にその動きが顕著で、地方への誘客はこれからの課題となっています。市場の回復傾向は、アジアの競合国と比較しても明確です。また、訪日外国人の消費動向調査によれば、円安の影響や滞在日数の増加により、7-9月期の消費額は2019年同期比で17.7%増となっています。

このような市場の動向や今年3月に策定された観光立国推進基本計画を踏まえ、日本政府観光局(JNTO)は、サステナブル・ツーリズムの推進をベースに、市場別、市場横断、MICEの3部から成る「訪日マーケティング戦略」を進めています。市場別のマーケティング戦略では、調査に基づき市場の特長をとらえ、誘客ターゲットを設定。ターゲットに合わせたプロモーション手法を通じて、きめ細やかなマーケティングを行っています。さらに、市場横断戦略として、高付加価値旅行やアドベンチャートラベルの推進、大阪・関西万博を契機とした情報発信も視野に入れています。訪日インバウンド市場は、新たな局面を迎えています。JNTOの戦略を参考に是非各地域の取り組みを推進していただければと思います。

パネルディスカッション

インバウンドツーリストは何を求めているのか、地域の抱える課題等を踏まえ4名によるパネルディスカッションが行われました。

【パネリスト】
道頓堀商店会 副会長 白ハトグループ道頓堀くくる 代表取締役 永尾 俊一氏
一般財団法人 箱根町観光協会 誘客営業部長 真野 剛 氏
公益財団法人 堺市産業振興センター 海外需要開拓・コーディネーター エリック・シュバリエ 氏
一般社団法人 ツーリストシップ代表理事 田中 千恵子 氏

公益財団法人 堺市産業振興センター 海外需要開拓・コーディネーター エリック・シュバリエ 氏エリック氏(堺市):
日本に来る外国人は「日本を感じたい」「和を感じたい」「文化体験」をしたい人が多く、モノを作る・舞妓さんとコミュニケーションする、など「暮らし方の体験」を通じて"日本を感じさせる"ことが大切です。外国人は歴史や製作者のその背景に惹かれます。商品だけでなく、ストーリーも楽しんでいただけるよう心掛けています。また、日本における観光振興の課題は、各所のコミュニケーション不足だと考えています。

道頓堀商店会 副会長 白ハトグループ道頓堀くくる 代表取締役 永尾 俊一氏永尾氏(道頓堀):
2010年頃の道頓堀は現在のような形ではなく、道頓堀を盛り上げるために、「道頓堀リバーウォーク」「道頓堀盆踊り」などを開催し、インバウンドの集客に成功しました。数年前に『道頓堀ナイトカルチャー創造協議会』を発足し企業と協力し、AR技術などを活用した「道頓堀に行きたい」と思ってもらえるような新たな街の魅力づくりに取り組んでいます。

一般社団法人 ツーリストシップ代表理事 田中 千恵子 氏田中氏(ツーリストシップ):
私たちは、持続可能な観光を旅行者から築くべく、旅行者の心得「ツーリストシップ」の普及を行っています。国内外の旅行者にツーリストシップを発揮してもらうためには、訪れた外国人に適切な情報を提供することが大切です。日本には四季があり、未開拓の自然が多く、様々な魅力にあふれているからこそ、しっかり守り受け継ぐための施策が必要です。

一般財団法人 箱根町観光協会 誘客営業部長 真野 剛 氏真野氏(箱根町):
箱根町にはハイキングやトレッキングを好む欧米豪のお客様が多く、自然やアクティビティを強みに、英語でのガイド育成やSDGsへの取り組みを通じて、訪日客に独自の価値を提供しています。課題は観光客の利便性向上と地域社会との調和なので、交通機関の混雑対策やデジタルマップの提供、スーツケースの無料配送の実証実験など観光者が滞りなく訪れられる環境整備が必要だと考えています。

地域ごとの特性を踏まえ、訪日客に向けた独自のアピールポイントを見つけることが重要。また、地域全体での連携と情報共有が、課題解決と魅力の最大化に向けて不可欠です。

セミナー1「大阪・関西万博と開催後のレガシーが変えるインバウンド市場への対応」の動画視聴はこちら

セミナー2「地域の特色を活かし 復活したインバウンド市場へのアプローチを考える」の動画視聴はこちら

セミナー1「大阪・関西万博と開催後のレガシーが変えるインバウンド市場への対応」
セミナー2「地域の特色を活かし 復活したインバウンド市場へのアプローチを考える」

本セミナーについてはアーカイブ動画をご用意しておりますので、ご興味のある方はぜひご視聴ください。

JTBコミュニケーションデザインはお客様の真の課題を探求し、最適なソリューションを提供することで、今後もベストなパートナーであり続けることをお約束いたします。

チームメンバー

お問い合わせ

この記事に関するソリューション