- 訪日インバウンド促進
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2026.07.22
インバウンド戦略は、データでここまで具体化できる
JTBコミュニケーションデザインが伴走するインバウンド戦略づくり
コロナ禍を経て訪日外国人の数が増加している今、インバウンドプロモーションにおけるビジネスチャンスを前に「何から始めればいいのか」「どの国や地域を狙うべきか」と戸惑う企業は少なくありません。訪日外客数や消費額といったデータだけを頼りに施策に踏み切るリスクもあります。

こうした課題に応えるべく、JTBコミュニケーションデザイン(以下、JCD)が独自開発したのが市場分析ツール「DAIB(Data Analyst for InBound)」です。DAIBは、単にデータを提供するためのツールではありません。JCDがこれまで培ってきたインバウンド領域の知見と、官公庁・JNTO・ソーシャルリスニングなどの多様なデータを組み合わせ、お客様の状況に合わせた戦略づくりを支援するための基盤です。本記事では、開発・運用を担う社員と営業最前線の社員が、提案現場のリアルな声と、それによって生まれた具体的な成果をご紹介。データに基づいた確かな戦略で、貴社のインバウンドビジネスを成功へと導く秘訣、その全貌と現場の変化を語ります。
- インバウンド提案の現場で感じていた「限界」
- DAIBとは何か----25年の知見を凝縮したデータプラットフォーム
- 「単なる発注先」から「ビジネスパートナー」へ。データが生み出す圧倒的な納得感
- メーカーからエンタメまで----「次に注目すべき国」をデータで見極める
- DAIBが目指す、インバウンド戦略の「あたりまえ」
1 インバウンド提案の現場で感じていた「限界」
―JCDでは25年以上にわたりインバウンド事業を手がけられています。まずはお二人が担当されている業務について教えてください。
北園
私は、戦略プランニングを担当しています。インバウンド領域において、中央省庁・企業向けどちらにも仮説構築から施策設計まで一貫して支援しています。
川口
私はインバウンド領域の営業推進を担当しています。当初は中央省庁の行政案件が中心でしたが、産休・育休からの復帰後は、企業向けのご提案に携わることが多くなりました。
大きな転機は、コロナ禍が落ち着いてきた2022年頃でした。外国人旅行客が再び日本を訪れるようになり、その数はコロナ前を大きく上回っています。

―企業からは、どのようなご相談が多かったのでしょうか。
川口
とくに多かったのは「ビジネスチャンスがあるのに、何をしたらいいかわからない」という声です。入り口で足踏みしている企業が少なくありませんでした。
コロナ前はホテルや観光業界からのご相談が中心でしたが、コロナ明け以降は食品や化粧品といった一般商材メーカーからのお問い合わせが増えています。ありがたい反面、ニーズに対応するスピードが追いつかなくなっていました。
JCDには1990年代から蓄積してきた市場データや専門的知見があります。ただ、それを一社ごとの提案に落とし込む作業が一部の担当者に集中していたため、お問い合わせが増加するにつれてすぐにお応えすることが難しくなっていました。
2 DAIBとは何か----25年の知見を凝縮したデータプラットフォーム
―企業が「何から始めればいいかわからない」と戸惑う中で、JCDの開発側ではどう受け止めていたのでしょうか。DAIBが生まれた背景を教えてください。
北園
「クライアントにとって可能性のある市場はどこか」----その問いに根拠を持って答えられる状態をつくりたい。そんな思いから、DAIBの開発に着手しました。
企業は行政機関のようにインバウンドに関するデータを活用することに慣れていないケースが多いです。お問い合わせをいただく中で、旅行者数といった表面的な数字だけを判断指標にすることにリスクを感じていらっしゃるお客様も見受けられます。そこで、長年培った「データをどう見るべきか」という判断の軸と市場のデータを一つに統合し、単なる分析にとどまらない、意思決定を支えるツールとして設計しました。

―具体的には、どのようなデータを組み合わせているのでしょうか。
北園
ベースになっているのは、市場を知るための基礎データです。官公庁や日本政府観光局(以下、JNTO)のデータからは、市場規模や全体の傾向といった「市場の構造」を把握します。一方、ソーシャルリスニング(※)のデータからは、旅行者の興味・関心や、SNS上で語られている文脈を読み取ることができます。どれか一つのデータだけで判断するのではなく、複数のデータを組み合わせることで、初めて意思決定に活用できる情報になります。
※ソーシャルリスニング:SNSやブログなど、インターネット上の投稿・言及を収集し、消費者の本音や関心、トレンドを分析する手法。

―DAIBの開発をする際に、特にこだわった点はどこですか。
北園
「データを見せること」ではなく、「意思決定に使える形にすること」です。どの切り口で整理すれば戦略に活かせるのか、グラフや表にどう落とし込むのか。複数のデータを組み合わせて意味のあるアウトプットにするのが、いちばん難しいところでした。開発期間の中で、プランナーの視点と営業が現場でお客様に説明して使えるかという視点を行き来しながら、社内のメンバーを巻き込んでツールの実用性を高めていきました。
3 「単なる発注先」から「ビジネスパートナー」へ。データが生み出す圧倒的な納得感
―DAIBを使うようになって、ご提案はどう変わりましたか。
川口
いちばん大きな変化を感じるのは、スピードと根拠の明確さです。以前はデータを集めて整理する工程に時間がかかり、仮説を立てるまでに2週間ほどいただくこともありました。それが、今あるデータを活用すれば案件の状況にもよりますが、1週間ほどで事業戦略の方向性を提供できるようになりました。スピード感を持ちながらも、データに基づいた根拠を示せるため、お客様にも納得していただきやすくなったと感じています。
―「データがあったからこそ通った」というご提案はありますか。
川口
ある都内の地域でターゲットを分析した際、都内全体ではアジアからの旅行者が中心であるのに対し、その地域には欧米豪の旅行者が一定数いることがデータから判明しました。彼らの長期滞在・周遊という特性も踏まえ、有望なターゲットとして根拠ある提案ができました。客観的なデータがあることで、お客様の納得感も違いましたね。
北園
実はそこはアニメの聖地で、作品に関連する楽曲がSNSで何千万回も再生されていました。日本人の感覚では気づきにくい背景も、まずDAIBで「外国人が多い」という事実を掴み、ソーシャルリスニングで深掘りする。そんな流れを作れるようになりました。
―クライアントの反応にも、変化はありましたか。
川口
会話の中身が変わりました。以前は「どんな広告を出すか」といった具体的な施策の話から入りがちでしたが、いまはその前段階にあたる「どんな戦略であれば届くのか」というところから一緒に考えられます。
「そこまでデータでわかるのですね」「一緒に進めていけそうですね」と言っていただくことが増えて、単なる発注先ではなく、ビジネスパートナーとして見ていただけるようになったと感じています。
―北園さんは、開発側として現場での活用をどうご覧になっていますか。
北園
営業がお客様のところに伺う前に市場の概要を自分で把握して、仮説を持って臨めるようになりました。誰でも一定の水準の情報を短時間で引き出せるので、結果として提案の質そのものが底上げされてきていると感じています。チーム全体で安定した提案ができるようになってきたのは大きいですね。
4 メーカーからエンタメまで----「次に注目すべき国」をデータで見極める
―現在は、どのような業種の企業からのご相談が多いですか。
川口
食品や化粧品などの一般商材メーカー以外にも、「その場所に足を運んでほしい」という観光・商業施設や、海外にチケットを届けたいエンタメ企業など、インバウンドと接点のある幅広い企業からもお問い合わせをいただきます。印象的だったのは、外資系アイスクリームブランドからのご相談です。日本限定の抹茶・桜フレーバーを「日本でしか食べられないからこそ訪日客に試してほしい」と。私たちでは思いつかない着眼点で、目から鱗でした。
―DAIBではどのようなデータが見られるのでしょうか。
川口
品目ごとの市場規模や旅行者の属性、来日回数、訪問地域、移動経路などが分かります。実際に満足した買い物の傾向もわかるので、何が人気なのかまで把握できます。
北園
SNS上でどう語られているかを調べるソーシャルリスニングとも連携しています。海外ではどんな文脈で日本の商品が話題になっているかを分析し、訴求の切り口やクリエイティブの提案に活用します。

―お客様とやり取りしていて、アプローチしたい国や地域が決まっているケースは多いのでしょうか。
川口
決まっている企業とそうでない企業で半々くらいです。大手企業ほど来訪回数の多い国を把握していて、その先の新しい市場の可能性を探していらっしゃるケースが多いですね。
―新しい市場を探している企業には、具体的にどのような情報を提案されるのですか。
川口
中国・台湾・韓国・香港の訪日トップ4はすでに把握されているため、フィリピンやインドネシアなどのあまり注目されていないアジア圏の国々の情報をお出しすることが多いです。
新しいマーケットの分析にも対応できるのが私たちの強みなので、「どこに目を向ければいいかわからない」という段階でもご相談いただきたいですね。
5 DAIBが目指す、インバウンド戦略の「あたりまえ」
―今後、DAIBをどう育てていきたいですか。
北園
いまは分析と戦略立案のためのツールですが、これを事業成長の基盤と呼べるところまで育てていきたいと考えています。具体的には、社内に蓄積されている広告配信データや外部データとの連携を進め、旅行者の行動や関心をより実態に近い形で把握できる状態を目指しています。そのうえで、より精度の高い戦略を描けるようにしていきたいです。
―川口さんは、データを通じてお客様にどんな価値を届けたいですか。
川口
私たちが大切にしているのは、「一緒に仮説をつくる」という姿勢です。お客様は商品のプロ、私たちは海外の旅行者のインサイトを知る立場。その二つをすり合わせて、可能性のある市場を一緒に見つけていきたいです。日本には、質が高くて、面白くて、おいしいものがまだまだたくさんあります。それを、まだ知らない海外の方に届けるお手伝いができれば、とても嬉しいです。インバウンド事業の戦略立案に迷ったら、まずは私たちにご相談ください。一緒に入り口から考えるサポートをいたします。

インバウンド戦略について、お気軽にご相談ください
「何から始めればいいのかわからない」。そんな漠然としたご相談からでも構いません。JCDは、25年以上にわたって培ってきたインバウンド領域の知見と、独自開発のデータツール「DAIB」を通じて、可能性のある市場の見極めから、戦略立案、プロモーションやクリエイティブの実行まで一貫して伴走します。









