HAKONE RUN FES

PROJECT STORY “HAKONE RUN FES”

箱根ランフェス
各事業部の多様性あるリソースを生かし
新しいスポーツコンテンツを創造
CHAPTER-1

HAKONE RUN FES

事業部の枠を越えたメンバーで
「箱根ランフェス」の実現に挑む

2016年にJTBグループ内の各社統合により誕生したJTBコミュニケーションデザイン(JCD)は、プロモーションやイベント・ミーティング、トレードショーといった各事業部が、それぞれ高い専門性を生かした事業活動を行っている。新会社設立とともに社内では新しい事業を作っていく機運が高まり、企画されたのが「箱根ランフェス」だ。
マラソンなどのスポーツイベントはこれまでもグループで手がけていたが、内容はスポーツの部分を強く打ち出したものばかり。一方「箱根ランフェス」が目指したのは、スポーツをもっと幅広く捉えた、ランとフェスの融合。例えば、音楽のフェスならメインアクトに加え、さまざまなアーティストの演奏が楽しめる。これにならい、マラソンをメインにリレーやウォーキングといったさまざまな“ラン”メニューに、BBQやキャンプファイヤー、飲食やステージイベント等の“フェス”要素を合体させ、新しいスポーツコンテンツとして構築することが狙いだった。
発案したのは、コミュニケーションプラン等の企画・提案を行うプロモーション事業部。そこに、イベントプロデュースのノウハウを持つミーティング&コンベンション事業部のメンバーを加え、プロジェクトがスタートした。複数の事業部のメンバーが連携して事業を担うことは、これまでにないチャレンジでもあった。

プロジェクトの立ち上げ

プロモーション事業部の営業推進課は、新規事業を企画するセクション。その営業推進課で今回立ち上げた「箱根ランフェス」は、幅広い層をターゲットにした複合型のスポーツフェスティバルだ。開催地になった箱根は日本有数の温泉地であり、富士山や芦ノ湖の風景も美しく、屋外で楽しむイベントを行うにはうってつけのエリア。ここに温泉目当て以外の新しい層を呼び込むきっかけになればとの思いからプロジェクトは始動した。
企画の立ち上げはプロモーション事業部から。ただ、「箱根ランフェス」の運営には警備、参加者の輸送といったイベントのノウハウの不可欠。そこで、東京マラソンの運営にも携わるミーティング&コンベンション事業部のメンバー3名もプロジェクトにジョインした。プロモーションから3名、ミーティング&コンベンションから3名、計6名でプロジェクトは始動した。

箱根町の方々の協力を得て

まず取り掛かったのが、メンバーや協賛各社との実行委員会の結成だ。仕組み作りからのスタートとなったが、箱根町の理解を得ることが第一。何度も通い、さまざまな団体に対してイベントの意義、経済的恩恵、目指すところなどを真摯に伝え、協力を取り付けた。それが開催日の約1年前。通常ならこうした新規のスポーツイベントの実現には2年ほどかかるが、これが半分で済んだのは、箱根町と観光振興に関する包括連携協定を結んでいるJTBグループの力があったからこそ。そして、箱根の魅力を生かし、新しいものを作って地域のために役立てたいという、我々が目指すものが、箱根町の方々にしっかりと伝わったのも大きかった。

CHAPTER-2

HAKONE RUN FES

全員が同じ目線で議論をかわし
イベントの成功に向けて奮闘

ゼロからのスタートとなった「箱根ランフェス」。実行委員会では月1回の会議を中心に、企画内容や運営について話し合ったが、意見がまとまらないこともたびたびあった。しかし、同じ社員同士だからこそ、忌憚のない意見も言い合える。同じ方向を見て議論し、出てきた中で一番良い意見を選択するというやり方で、その都度皆が納得する形を取ることができた。連携に関しても一番大掛かりな警備や輸送に関しては、プロモーションとミーティング&コンベンションのメンバーでシミュレーションを重ねた。告知についてはミーティングで出て来るさまざまな意見を元に、プロモーション事業部の広報担当者が表現の的を絞っていく。これら煩雑な作業や話し合いは、同じ社内にいるからこそ、深く突き詰めることが可能となった。
こうして決まった内容のメインは、富士山を横目に走るハーフマラソン。有料道路を貸し切り、箱根の風景を独り占めできる目玉コンテンツだ。そのほか、子どもや家族連れでも参加できるキッズラン、リレーマラソンなどの多様なメニューも用意した。フードブースの一角では箱根の旅館組合がカレーをふるまってくれることになり、ランナー用の宿泊プラン作成にも協力してくれた。会議や訪問を重ねることで信頼関係もでき、町も一体となってランフェスを盛り上げていこうという雰囲気が高まっていた。概要が見えてくると、プロモーション活動にも力が入る。WEBサイトでの情報公開やWEB広告、ポスターやチラシによる告知や募集でイベントをアピールしていった。

クリアすべき課題はアクセスと天候

体力に自信のあるメンバーの一人は、企画段階で実際にコースを試走して、コンテンツを練った。課題だったのは箱根のアクセスだ。有料道路を封鎖できるのは早朝の時間帯だけなのだが、ハーフマラソンのスタートは早朝の7時。しかし、メイン会場の芦ノ湖キャンプ村は箱根湯元からも遠く、そこからの道はほとんど一車線。参加者がどんな手段で訪れるのかを予想しながら、参加者のバス輸送やスタッフの組み方をはじめ、警備や輸送担当のメンバーとさまざまなシミュレーションを行った。検討の結果、警備員は、コース近辺のポイントだけではなく、外周エリアまで配置し、看板も設置して当日の交通についての周知をはかることに。そして、イベント運営を最も左右するのは天候だ。雨が降ったら、道路が渋滞したら、一般の方に迷惑をかけたら等、いろんな場合のことを想定した事前準備が必要となった。

認知を高めるために

イベントの成功のためには、いかに一般のランナーへの認知を高め、多くの来場申込を得るかが成功の大きなポイントとなる。PR施策としては、WEBサイト制作や広告掲載において、ランフェスの訴求ポイントを探り、どうやって魅力を伝えるかが重要だ。デザインには箱根=富士山ということで、親しみやすい富士山のイラストを使用したが、問題は中身。ポイントがたくさんあり、何がランで何がフェスなのか、それぞれの中身やコンセプトをきちんと伝えないと誤った印象を抱かれかねない。どう表現すればランとフェスそれぞれがすんなり伝わるのか、ミーティングでは何度も打ち合わせて確認を重ねた。

CHAPTER-3

HAKONE RUN FES

「箱根ランフェス」を通して得られた
ノウハウの蓄積と多様性という強み

こうしてメンバーが努力を重ねた「箱根ランフェス」は2017年5月に初開催。3000人の参加者を集め、富士山を眺めながらのハーフマラソンはもちろん、各種コンテンツも好評で、すぐに2018年の開催も決まった。2度目の開催も成功裏に終了し、2019年には第3回の開催が予定されている。コンテンツ追加や認知度アップで規模拡大をはかり、事業としての収益化はもちろん、箱根を代表するようなビッグイベントに育てるのが目標だ。
この「箱根ランフェス」を通してJCDが得られたものは多い。特に大きな意味があったのは、社内のリソースを活用することによって、各種のノウハウを蓄積できたことが挙げられる。そして事業部の連携により、企画から運営まで担える専門性と多様性も表現できた。この新しい取り組みにおける収穫は、今後のJCDにとってもかけがえのないものとなるに違いない。

担当チームの思い

プロモーション事業担当

イベント運営や警備といったことは、社内でチームを組み、議論しながら形にしたことにこそ、意味があったと思います。JCD内のさまざまな能力、技術を持った人たちと事業部を越えて連携し、さらにメンバーが企画の中心に入り、社内で運営まで担うことでノウハウが蓄積されました。そして、このさまざまな種類の専門家が存在するという多様性は、会社としての将来を考えると強みになります。この「箱根ランフェス」を形にすることで、その確かな手応えを得られたと思います。

ミーティング&コンベンション事業担当

箱根ランフェスではこれまでに現場イベントの運営で蓄積してきたノウハウを生かして対応しています。自分の専門性で新しい事業に貢献できることは非常に嬉しいです。今後規模拡大を目指せば、それにつれてさまざまな課題も出てくるでしょうが、今後も事業部を越えて協力しあった経験を生かせば乗り越えていけるはず。箱根のスポーツイベントといえば箱根駅伝がありますが、それに負けないよう「春の箱根といえばランフェス」と言われるぐらいに、このイベントを育てていきたいですね。

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公式サイト
箱根ランフェス
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