医療に携わる企業としての使命

私たちテルモは医療に携わる企業として、人の健康を害することをしてはいけないという意識が常にありますが、それは環境に対しても同様です。
弊社の製品は主に医療機器。感染管理の観点からディスポーザブル(単回使用)である必要性が高い製品も多くあります。環境負荷を低減するエコロジーな活動を特別なことと捉えているわけではなく、長い歴史の中で当たり前の考え方として培われてきました。これまでも、包材を減らしたり製品自体の形状を見直したりすることで、安全性を担保しながら廃棄物を削減することにもつとめています。医療機器は、包材の形状や材質の変更に厳しい品質管理基準があり、時間も費用もかかるのですが、医療を提供し続けるメーカーとして「医療を止めてはいけない」という使命感のもと、製品の安定供給のみならず、サステナビリティの活動においても同様に継続していかなければならないという考えも併せ持って活動しています。

例えば、医療現場での安全性や使い勝手を損なうことなく、製品を小さく軽く、あるいは包装材料を少なくする工夫によって、医療機関から排出される廃棄物の削減につながります。

また、製品が小さく軽くなることは、ロジスティクス(輸送効率)の視点からも環境負荷の低減に寄与するとともに、他企業と協力して取り組んでいる共同輸送なども、社会課題の解決につながっていると考えています。

CO2排出量削減に対する取り組み

テルモでは、CO₂排出量を削減するために、高効率機器の導入や設備の効率的な運用などのエネルギー効率の改善、再生可能エネルギーへの切替や温室効果ガスの排出が少ないエネルギーへの転換に取り組んでいます。

再生可能エネルギーへの切替には2021年頃から本格的に着手しており、日本の生産拠点ではすでに使用電力の約50%が再生可能エネルギー由来に切り替わっています。ベトナムの拠点では、敷地内で発電する太陽光エネルギーの活用などにより全電力が再生可能エネルギー由来となっています。また、コスタリカの拠点においては、使用電力の約98%が再生可能エネルギー由来となっています。2030年までにテルモグループ全体の再生可能エネルギー由来電力の使用率を50%に引き上げることを目標にしています。

また、人にも環境にもやさしい製品開発を促進するための独自の基準「Human × Eco開発指針」をさらに活用することで、製品の小型・軽量化、製品輸送時の積載効率を考慮した包装材の設計等を促進し、資源投入量の削減や輸送効率の向上等に取り組んでいます。

CO₂排出量削減と生物多様性保全を組み合わせた、「富士山森づくり」や「エコチャレンジ」の取り組みも行っています。「富士山森づくり」は、富士山の森林を、郷土樹種の植林を通して、災害に強く、また地下水の源にもなる自然林に再生させる活動で、社員が家族とともに植樹をおこなうことで楽しみながらCO₂排出量の削減にも貢献できる取り組みです。

「エコチャレンジ」は、社員それぞれのCO₂の削減につながる取り組みを通じてその成果をポイント化し、金額に換算した上で、外部団体の環境関連プログラムに会社として寄付を行っています。

一人ひとりの環境問題に対する意識向上の促進に加え、間接的な社会貢献の実施を目的としています。

ゼロマイス導入までの経緯

テルモでは、世界の地域・事業の幹部が集まるグローバルリーダーシップミーティング(GLM)を年1回開催しています。今回、2022年のGLMのイベント会場に選んだのは、アメニティに竹製の歯ブラシや紙パックの歯磨き粉を採用するなど、脱プラスチックを積極的に行っているエースホテル京都。GLMでは、日本のリーダーシップとおもてなしの心を示すという弊社社長の考えのもと、毎回日本で開催しています。今回は3年ぶりに集合し、また会場のエースホテルのコンセプトともシンクロさせ、「サステナビリティなおもてなしの提供」を試みました。これまでも開催地の伝統工芸品をノベルティに取り入れてきましたが、今回は京都の組紐をネームカードのストラップに採用し、持ち帰っても使えるようにしました。

GLM参加者へのノベルティ

参加者にサステナビリティに対する呼びかけをしたわけではないですが、ストラップのほか、プラスチックを使用しないボールペンや間伐材を使用したノートなど、目に見えるサステナビリティのほか、目には見えない部分での取り組みとして「CO₂ゼロMICE®」の採用をしました。CO₂の削減は開催側の活動としての位置付けだったのですが、受付にグリーン証書を掲示していたところ、海外からの参加者から「良い活動をしているのですね」という言葉をいただきました。やはり欧米諸国はサステナビリティに対する意識が高く、私たち開催者側ももっとアピールしても良いのではと思えるきっかけになりました。エコロジー活動は始めたら止めてはなりません。

GLM参加者へのノベルティ

これは費用対効果などでは測ることができないサステイナブルな社会を実現するための投資だと考えており、今後のGLMでも続けていくとともに、この活動をしっかりアピールしていきたいと思っています。

左より、経営企画室 岩井 知子様と石崎 加奈子様

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