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  • #12 農林水産省 × クリエイティヴ ...
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日本の伝統や食文化を魅力的に表現したビジュアルを考案。
これからは今までとは違った視点でクリエイティヴを提案していきたい。

池上
私が関わった2015年のインバウンド事業のハイライトは、何と言っても農林水産省の「日本食・食文化の世界的普及プロジェクト」に参加したことです。このプロジェクトは、2020年の農林水産物・食品輸出額の目標を1兆円に定め、様々なアクションプランを実行しています。2013年の日本の輸入額は約9兆円、輸出額は5,500億円と、輸出額の少なさが際立っており、日本食の海外への普及も課題のひとつとされていました。近年の日本食ブームや、日本食・食文化世界遺産登録を好機と捉えて、2015年は日本食の魅力を国内外に広める様々な試みを展開。私は主にその広告プロモーションのクリエイティヴを担当しました。
1番印象に残っている仕事は、「祝い膳」をテーマにした和食普及のポスター制作です。「日本食普及の親善大使」に任命された女優の檀れいさんを起用。琳派(金屏風)を背景に、着物を着た檀さんが座り、手前に祝い膳を配置したビジュアルです。手間をかけて琳派を作ったり、それに合う着物を仕立てたり、日本の美しい伝統文化を取り入れるなどクリエイティヴ面ではかなりこだわりました。このポスターは8か国語に翻訳して、海外の日本食レストランをはじめ在外公館窓口などに配布し、世界の様々な場所に掲出されています。
また、ANA、JALの航空機内で放映する日本食・食文化普及のCM制作を担当し、日本料理の技の神髄「切る(生)、煮る、焼く、蒸す、揚げる」をテーマにした映像で日本食の素晴らしさを表現しました。その他にもBBCで放映するミニ番組やアメリカ32都市のシネアドで流すCMなどの制作にも携わっています。
池上敏彦
直近で担当した仕事は、日本米普及のキャンペーン。2015年はTPP協定の件もあり、農業を取り巻く環境が大きく変化しました。また、近年日本米は海外の富裕層から人気を集め、世界的にも関心が高まってきています。このような影響もあって、日本米の美味しさを世界に発信するために、在外大使館と連携した「日本米・日本食普及」のキャンペーンがスタートしました。日本米の特徴である「艶」と「粘り気」を表現した啓蒙ポスターや、お鍋を使った「美味しい日本米の炊き方」のレシピを制作。世界50か国の大使館に展開し、海外の要人などが集まるレセプションなどで配布してもらい、日本米の魅力をアピールしています。
「日本食・食文化の世界的普及プロジェクト」におけるこれらの事業は、インバウンドというより、実はアウトバウンドの要素が大きいと感じています。アウトバウンド事業は、訪日外国人増加のきっかけにもなりうるので、結果的にインバウンド事業にも良い影響を与えているんです。外国に向けて日本の魅力を積極的に発信することで、内需拡大はもちろん、日本食関連が元気になってくれたら嬉しいですね。
アウトバウンド事業という点では、2008年から4年間、日本旅行協会の「もっと!海外へ ビジットワールドキャンペーン」に携わっていました。当時日本人の海外旅行者数が年間1,598万人と年々減少しており、海外旅行需要拡大や若者の海外旅行離れを食い止めることを目的としてキャンペーンを展開していました。その結果、2012年には海外旅行者数が1,840万人まで回復しましたが、目標の2,000 万人には未だ達成できていません。
人の相互交流こそ、インバウンド・アウトバウンド事業の最大のテーマです。こちらに関しても、継続的な新しい広告プロモーションを提案していきたいですね。
これからはインバウンドとアウトバウンドの双方のバランスをよく考えた上で、観光やビジネスによる交流を通して、世界の人々に向けた新たな文化やトレンドを作っていくべきだと思っています。そのために会社で、自分自身で、何ができるのかを模索中です。
例えば、現在は日本人が制作した広告を翻訳して発信していますが、今後は現地の文化を理解している外国人と手を組んで、言語ごとではなく国ごとに効果的な広告展開ができたらいいですね。今回紹介した案件もそうですが、海外向けの広告はやはり富士山や着物など日本らしいビジュアルを取り入れることが多いのが現状です。今後は日本のイメージも変化していくでしょうし、これまでとは違うビジュアルで発信してみても面白いかなと。もし外国人と手を組めば、枠にとらわれない発想で様々な提案ができるのではないかと考えています。将来的にはそれらを実現できるようなプラットホームを作っていけたらいいですね。

PROFILE

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    • 池上敏彦
    • ソリューションデザイン局
      クリエイティヴプロデューサー

      インバウンド・アウトバウンド事業の広告プロモーションに携わり、クリエイティヴを担当。日本の伝統文化にも造詣が深く、その知識やこれまでの経験を活かして、様々な広告に関わっている。
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